FIELD NOTES / v0.1.0
昼の長さと緯度
同じ日でも緯度によって昼の長さが変わるのは、地球がほぼ球であるためである。太陽光はほぼ平行に届き、太陽の一日の通り道と地平線のなす角は場所ごとに異なる。昼の長さは cos H₀ = −tan φ tan δ で決まる。この教材はその関係を静的な曲線として示す。昼夜の教材と同じ仮定——球形の地球、平行な太陽光、24 時間の太陽日、固定した太陽赤緯——を用い、太陽の見かけの半径と大気の屈折は無視する。地球の公転や現在の天気も計算しない。
問い
同じ日なのに、緯度によって昼の長さが違うのはなぜ?
赤道の昼の長さは太陽赤緯で変わる?
太陽赤緯が +23.44° のとき、白夜になるのはどの緯度から?
予想
春分(δ = 0°)のとき、各緯度の昼の長さは何時間になると予想する?太陽赤緯を +23.44° にして緯度を 0° から 90° まで上げると、曲線はどう変わる?赤道と極ではどんな値になると予想する?
操作
太陽赤緯を +23.44° に保ち、緯度を 0° から 90° まで動かして曲線上の点を観察する。次に太陽赤緯を 0° と −23.44° に変え、3 本の曲線を比べる。縦の破線は白夜・極夜の境界 |φ| = 90° − |δ| で、色の付いた帯は白夜(暖色)と極夜(寒色)の範囲を示す。
観察
曲線は赤道を中心に対称で、赤道は常に 12 時間になる。太陽赤緯が正のとき、北半球の昼は 12 時間より長く、南半球は短くなる。緯度が高いほど差が大きく、北極に近い高緯度では 24 時間になる。赤緯の符号を変えると曲線は左右に反転する。
解説
昼の長さの式はどこから来る?
緯度 φ、太陽赤緯 δ、時角 H とすると、太陽高度 α は sin α = sin φ sin δ + cos φ cos δ cos H を満たす。日の出と日の入りでは α = 0 なので cos H₀ = −tan φ tan δ となり、昼の長さは D = 24H₀/π 時間(H₀ はラジアン)。昼夜の教材と同じ幾何関係を使っている。
赤道と春分が常に 12 時間なのはなぜ?
φ = 0° では tan φ = 0 なので cos H₀ = 0、H₀ = π/2 となり、昼は常に 12 時間になる。δ = 0° では tan δ = 0 なので、どの緯度でも 12 時間になる。これが春分・秋分に世界で昼と夜がほぼ等しくなる理由である。
白夜と極夜の境界
|φ| ≥ 90° − |δ| のとき、−tan φ tan δ は [−1, 1] の外に出る。δ と同じ符号の側は白夜(D = 24 h)、反対の側は極夜(D = 0 h)になる。δ = +23.44° では境界は 66.56° で、北極圏に近い。
極が退化するのはなぜ?
極では太陽の一日の通り道が地平線と平行になり、日の出も日の入りもない。δ = 0° なら昼は 12 時間、δ ≠ 0° なら 24 時間か 0 時間のどちらかになる。モデルは sin φ sin δ の符号でこれを判断し、tan φ が無限大になるのを避けている。
確かめ
太陽赤緯を 0° にして、いくつかの緯度で昼が 12.00 時間になることを確かめる。次に緯度 45°、赤緯 +23.44° で約 15.43 時間になること、赤緯 −23.44° の結果との和が 24.00 時間になることを確かめる。最後に緯度 90° と −90° で、読みが有限で無効な値が出ないことを確認する。
発展
大気の屈折と太陽の見かけの半径を無視しているため、実際の日の出・日の入りはこの幾何学的な結果とずれる。実際の昼の長さは地形や標高の影響も受ける。曲線は幾何関係を表すもので、現在の天気を示すものではない。そもそもなぜ昼と夜が生まれるかを知りたい場合は地球の昼と夜から始めよう。赤緯を季節のパラメーターとして扱えば季節ごとの曲線を比べられるが、完全な公転の計算ではない。
学習目標
- 与えられた太陽赤緯で曲線 D(φ) から昼の長さを読み取る
- 赤道が常に 12 時間、春分が世界で 12 時間になる理由を説明する
- 白夜・極夜の境界 |φ| ≥ 90° − |δ| を求める
- 極で太陽の通り道が地平線と平行になるときの退化を説明する
出典と参考資料
試作版 · 独立した教育内容のレビューは未実施